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2023年5月5日徳寿宮liveから7日済州島;伊丹潤ミュージアムでのトークライブまで振り返って

  •  WRITER : admin
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    23-05-22 13:51  

 

ゴールデンウィーク直前に出発し、ソウルに到着。 今回渡韓の目的は5月5日のライブと7日済州島伊丹潤ミュージアムでのトークLive、 そして今年後半の重要プロジェクトに関するミーティングなどなど。

 

今回5/5参加の宮中文化祝祭フェスティバルはソウルにある代表文化遺産5大宮とその一帯で、コロナ以来久しぶりにオフラインで開催される、特別な意味を持ったフェスティバル。特に僕は、2009年徳寿宮美術館での単独ソロピアノコンサートや、2017年国立現代美術館徳寿宮館プロジェクトでの展示音楽を担当したり、その他にもここでの野外イベントで演奏したり、僕にとって特別な記憶がある場所。ロケーションもソウル中心部にあるにも関わらず長い伝統が刻まれた閑静で魅力的な場所。と言うことでめちゃくちゃ期待してソウルに到着しました。

 

そして公演準備。コロナ以降、アーティストミュージシャンたちも活発にコンサートを行うようになり、そのせいもあり参加ミュージシャンたちがめちゃくちゃに忙しく、結局リハーサルできる日程は夜中の11時スタート!そして明け方3時まで。なんとまぁ、、、でも、皆さんしっかり事前に僕の曲を頭に入れてきてくれて、リハーサルも順調で楽しかった、眠かったけど。そして、次の日の午前中連絡が来た。5日は豪雨でその日の野外イベントは全て中止になると言う事だった。当然気持ちも少し萎えたけど、でも久しぶりのメンバー達と演奏でき楽しく幸せな気分になれたし、それでよしとすることにした。

 

 



 

今年の秋いくつかライブがあるのはもちろん、その中で間違いなくメインとなるプロジェクトが予定されており、今の時点から音源制作含めスタートしているのですが、今回の滞在時にその具体的ミーティングがスタート。詳細はまだ明らかにはできないけれど、テーマが深く普遍的で、やりがいがあるのはもちろん真摯に立ち向かう心構えが整った状態で、よく使う表現だけれど大きな山が前にそびえ立っている、そんな印象。 だからこそ今はいろんな入口(登山口)を探し、その頂上に向かう道のりがスタートしたそんなイメージです。これはぜひぜひ楽しみに待っていて下さい。

 

そして気分を変えて、済州島へ。

5月7日当日済州島に入りましたが当日僕が入る前は雨、空港に到着したあたりから雨が止み、ミュージアムに到着する頃には少し晴れ間も。

ここで虹が見えたらドラマとして完璧だったけどんだけど、まぁそれは出来過ぎ。

 

伊丹潤ミュージアムを訪れるのは3度目ですが、観客を入れての演奏は今回が初めて。ピアノソロなので、簡単なチェックのみでライブがスタート。

ミュージアムのような空間は大ホールとは違い、高い天井の空間特有の響きでピアノの音も心地よく、さらに皆さんの表情もしっかり見えて5月5日演奏できなかったこともあり、演奏が始まると楽しくなってしまい本来予定よりも多く弾いてしまった。 時間も少しオーバーしてしまったんじゃないかな。とても暖かい時間でした。

 




 

トークは伊丹先生の娘さんでもあり、建築家&ミュージアムの設計者でもあるユ・イファさんとの対話形式で、済州島との関わりや思いなど、今まで話してきたことも多かったけれど、この場所で改めて話してみると、その思いがまたよみがえってきて、やはり自分にとってここ済州島は特別なんだなぁと実感。

そして、こういう形のライブってこれからもっとあっていいのかなぁとも感じた。

 

ここからはライブ後の話で、今回いろいろ感じたこと。

 

伊丹潤さんは晩年済州島にたくさんの建築物=作品を残しました。パンジュ教会、水、風、石の博物館、そしてポドホテル始めたくさん。

そしてこのライブを企画してくれたミュージアムのご好意で、前回と今回そのポドホテルに宿泊滞在しました。

 





 

 

何度か言及しましたが伊丹潤さんは僕の大先輩。日本で生まれ育ち、後に済州島だけでなく韓国でも有名な建築物;作品を作られました。このポドホテルもその一つで、中に入ると木材の質感や光の入り方などが自然で暖かく、気持ちをなごやかにしてくれます。全体に超現代的な構造物ではなくて、僕が宿泊した部屋も韓国の伝統家屋をベースにした気持ちの和かになる空間で快適そのもの。でも韓国の伝統だけではなく、どこか「自分に近いもの」も感じる。例えば浴室には富士の檜を使った天然温泉があり、その温泉は2000メートルの地下から組み上げたものでまさに本物の天然温泉。そしていたるところに韓国の伝統と日本の和がさりげなく、共存しながら優しく 語りかけてきます。それは部屋だけでなく、ロビーや食堂など、ホテルのいたるところで感じます。

 

そして有名な水、風、石の博物館 ( https://waterwindstonemuseum.co.kr )は訪れた方もいらっしゃると思うけど(最近は入場制限でなかなか入れないらしい)、簡素で質素。だからこそ、光の入り方など自然の有り様がそのまま表現されていて、 そこに佇んでいると緩やかな時間が流れます。ポドホテル部屋のテラス椅子に座っていると耽羅国(琉球国のように以前は独立国だった)へのはるかな思いが込み上げてきます/これはあくまで僕の感覚だけれども… 

 

人偽的ではない、気持ちに自然に入り込んでくる作品、空間、そして共存。 これは僕がとても理想とする形。

だから済州島のこういう場所に来ることで癒され、また現実に戻って作品作りに励むことができるんだなぁと。

自然との調和よる気持の循環、浄化が大事だと改めて感じる。日本でも軽井沢の山奥にいることも同じことなのだな、きっと。

 

余談ですがホテルレストランで出てくる「天ぷらうどん」は驚くほどに本場の讃岐うどんでめっちゃ美味い! 以前は日本から水まで輸入してたと言うこだわりようでしたが、現在は済州島のサンダスと言う水を使い調理しているのだそう。

 

いつか、伊丹先生の作品でもあるパンジュ教会でピアノ弾きたいなぁ。

http://bangjuchurch.org

 

梁邦彦