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2023.03.18 櫻井哲夫 Super Duo live 参加と…悲しいお別れ

  •  WRITER : admin
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    23-03-28 15:53  

 

昨年末に櫻井哲夫さんから今年3月18日の葛飾シンフォニーヒルズスーパーデュオライブ参加のお誘いを受けました。

櫻井さんにも参加してもらった12月初めソウル国立劇場にNEO UTPOIAライブの後の、それとは対照的な息遣いが伝わってくる小編成アコースティックライブ。とても楽しみで、もちろん快諾しました。櫻井さんお誘いありがとう!

 

3月10日に東京でリハーサルをしたけど、ドラムレスで二人だけ、しかもアコースティックだと音楽の景色が今までと全く違っていて、とても新鮮!

ー演奏する細かな気遣いがダイレクトに伝わってきて、繊細かつナイーブ。こういうライブ今ましてこなかったのが不思議なほど。

櫻井さんの曲は彼の人柄反映した優しさ溢れる美しい曲と、ダイナミックでスピード感あふれる曲と多岐にわたり、実際音出す前は二人でどうなるのか想像つかなかったけど、音出た瞬間「あ、なるほどね〜!」と二人で納得。

 


 

こういうアコースティックライブの場合一番キーとなるのがホールの響き。響きさえ美しければ、バッチリなはず。

その合間はもう直ぐ公開されるオンラインゲーム「Arknights」の四季シリーズの1曲目「春」の作業をほぼ追い込んで完成に近づき、ミックスを残すのみとなった。今回は軽井沢自宅スタジオで、アナログ機材総動員ミックスとし、エンジニアの倉石くんも大活躍してくれました。やはりアナログの音はプラグインのみの音とは存在感と押し出し感が違う。最近の自己アナログブームにまたまた火がついた形で無事終了。もうすぐ音源公開なのでお楽しみに。

 

そして公演前日、3月17日は午後から夜にかけライブ会場リハーサル。

しかしその前に某ホテルである方のお別れ会に足を運びました。その日軽井沢を出る時はみぞれ雪、都内についても悲しく冷たい雨が降りしきり、まるですべてが悲しみに覆われたようでした。

 

12月25日他界された恩師、親戚、兄貴、そして親友のようだった布川郁司さん。

実は11月20日頃から闘病を繰り返し、国立劇場でのNEO UTOPIA公演時にもずっと気にかかったまま、日韓でライブの多かった12月が過ぎて行きました。12/23の品川教会直後に渡韓し12月25日ソウルでクッカスタンのライブ観賞中に悲報が届き、そのまま全ての予定をキャンセルし、日本へ戻りました。

 

アニメ界を創世記から牽引し、とにかく優しくてスケール大きな、素晴らしい人物。ちょっと嫉妬深いところもまた人間的で^^ 

何よりも僕に映像音楽の扉を開いてくれた大恩人。NHK-BSの名作「十二国記」に始まり「英国恋物語エマ」など、、映像未体験ゾーンへの入り口となり、その後アニメはもちろんゲームなど数多くの映像作品参加への入り口「Gate of Dreams」を開いてくれた方。

 






 

10年ほど前まで、日本アニメの現状を知りたいと世界の著名大学からパネル招待を受け、何度も一緒に連れて行ってくれたり(くっついて行ったり)、その同行時にピアノを弾くことになったり。

ファイナルファンタジーの天野喜孝(AMANO YOSHITAKA)さん、あのガンダムの大河原邦男(OGAWARA KUNIO)さん、こちら亀有派出所の秋元治さんのラフスケッチを集め布川さんが発起人となり「ラフ絵展」を開催したり、天野さんに至っては僕が大ファンであることを知り、昨年6月5日の軽井沢大賀ホール公演に一緒に来てくれたり、感激。その人脈と業界での信頼の厚さは、もう説明の必要がないほど。

 

僕が軽井沢に定住する大きなきっかけの1つが、軽井沢別荘ライフを長くされてきた布川さんからのお誘い&誘惑(笑)で、そしてその後僕の人生が大きく変わって行ったのも事実。アニメ創世記に赤塚不二夫さんに直接かけ合い作品をアニメ化に成功、アニメを権利ビジネスへと導き、かと思えば宇宙少年ソランや黄金バットに始まり、僕たちが避けて通れなかったレジェンド作品にアニメーターとして関わっていたり、かと言えば日本動画協会を牽引し東京都との交渉に尽力したり、アニメ界で彼の業績は「とんでもなくすばらしい」ものだと言うことを、3月の17日お別れの会の素晴らしい展示を見て、改めて認識した次第です。展示製作の皆さん、本当に素晴らしかった!お疲れ様でした

 

話少し戻って、長いお付き合いの櫻井さんとのアコースティックデュオライブは全く初の試みで、演奏中、櫻井さんのことも大好きだった布川さんに想いを馳せ心を込め演奏しました。実は、昨年12/23品川教会で初めて坂本龍一さんの戦場のクリスマスOSTを演奏したのもまさにその経緯でしたが、まさにその2日後の悲報 。(品川の時はこみ上げてくる物を堪えきれず、鍵盤見えなかった)

 

YAHOO NEWS始めマスコミで大々的に取り上げられましたが、自分は正直話題にすることすらできず、今までも何度か書こうとしたけれど挫折。今年の2月近親者の他界も加わり、寒く暗く寂しい冬を過ごしましたが、全てを解決してくれるのが時間なのでしょう。

3/17日の素晴らしく準備されたお別れ会と、18日櫻井さんとのデュオライブで気持ちも少しずつ整理され、前に向かって行く気概が出てきました。

 

3月17&18日の冷たい雨をおそらく忘れる事はないでしょう。長い音楽人生、僕のライブであんなに冷たく暗い雨が降った事はただ一度だけ。

そして今、目の前に聳え立つのは新メンバー含めた3月30日の大編成ライブ、そしてそのセジョン市ための新楽曲の披露。

遠くに見える頂上に向かい着実に登る毎日ですが、その頂上の先に見える空は「快晴」。きれいに晴れ渡っています。

そう考えてみると、僕はこうして「音楽」とそれを聞いてくださる、支えてくださる「皆さん」に支えられている事を、痛感します。

 

少しトーンの暗いブログになりましたが、今は決して後ろ向きではなく、向かい風にも立ち向かう気持でこれからも突っ走るつもりです。

支えてくれる皆さんと音楽に感謝しながら。

 

いつもありがとう、みなさん。そしてありがとうございました布川さん。

 

梁邦彦