My Music & Moment


2023.01.28 済州島ソギュポ(西帰浦)芸術の殿堂ライブ

  •  WRITER : admin
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    23-02-03 15:45  

 

昨年10月末、短い期間滞在したがほぼ4年ぶりに済州島を訪問しました。このブログにも書いたけれど新たに出来た伊丹潤ミュージアム会館式への参加のため。しかしそれは残念なことにソウル市イテウォンでの大惨事によって開館式が順延され、僕はどうしても日程が合わずその日ミュージアムにピアノを設置し、あらかじめピアノ弾いた映像を1ヵ月後のオープニングセレモニーで上映すると言うことになったため。なのでその時は撮影だけして慌ただしくソウルに移っていきました。とは言え、やはり済州島は美しく、そして空気も心地よく、暖かく向かい入れてくれた。やはりいいなぁ、ここは。

 

そして22年下半期、済州島ソギュポ芸術の殿堂におけるライブの話が始まり、結果23年1月の新年音楽会としてのライブが決定。まさにこの会場は5年前パッション&フューチャーと言う同タイトルで公演した本当に懐かしい場所。でその時は6月の暖かい最高の季節。

 



 

そして当時メンバーは全員が日本からのメンバーだったが、今回は対照的に全員が素晴らしい韓国の若手ミュージシャンたち: カン·イチェ(Vln)、ソン·ランヒ(Gtr)、チョ·フチャン(Bass)、シン·ドンフン(Drs)。

 

1月25日に出国>韓国入国。この時は丁度日本にも韓国にも大寒波が訪れ、出国前夜軽井沢の気温は零下14度、そしてソウルの気温を見てみるとマイナス19度!怯む心を奮い立たせて、翌朝出発。

やはり軽井沢にもたくさんの降雪、そして一番懸念されるのがエアーの天候不良による欠航や、遅延。心配をよそに羽田空港ではそれほど大きな国際線にそれほど大きな影響はなく何とか出発でき、金浦空港でもソウルの金浦空港でも日常通りスムーズに入国できた。とても寒かったけど、陽が落ちる前なのに既にマイナス10度^^;

 

次の日はソウルで早朝リハーサル、今回のメンバースケジュール合うのが早朝しかなく眠い目をこすり、雪が残る街並みをリハーサルスタジオに向かう。

今回のプログラムでは当然Prince of JEJU(済州)をやるけれど何かスペシャルなことができないかなとずっと考えていた。その時この曲のバンド編成はもちろん、何か違った形でアコースティックに小編成で可愛らしくやった後、再度アンコールでボリュームアップして演奏することを考えた。久しぶりにアコーディオン弾くのもいいかなぁと思いつつ、リハーサルでトライしたんだけれど、どこか原曲から離れていかず、思った方向にうまく進まない。単純に自分の気持ちもこれだ!と言う風にはならず、モヤモヤとしていたので、一念発起。こういうときには早い判断が役に立つ、今回はプリンスオブ済州アコースティックバージョンは無し!に断念、ちょっと残念だったけど。いつかそんな機会があったらまた。

 

そして1月27日、済州島への移動日。ソウルはそれまでの寒波が何もなかったかのような見事な晴天、しかし済州地方は強風と豪雪でエアーが続々と欠航となり、まさに僕たちの乗ろうとしていた便も欠航、しばらく待機後かろうじて出発可能との予測が立ち金浦空港に集合&出発。ところが済州島に到着してびっくり。分厚い暗雲に包まれ、真っ暗な市内、ふりしきる雪と強風。本来到着後そのままソギュポ市へ行くはずが、今は危険なので移動できないと言われ急遽、空港のあるジェジュ市に宿泊し次の早朝移動することに。

 


 

到着後のジェジュ市ではホテルから近くの食堂へ移動もままならず、足元は滑るし、正に命がけ(少し大袈裟かな^^)。しかしこんな豪雪の済州島は初めてで、本当に驚いた。そしてその夜は強風の音と、明日の天候が心配であまり深く睡眠は取れず、、、朝目が覚めるとやはり天候は悪い。これはまずいな、と思いつつ。とりあえずバスは出発できそうなので移動開始、島の中心部にあるハンラ山(漢拏山標高1995)も雲にすっぽり隠れ、姿を見せず窓からは暗く寂しい景色が続きながら、あまり眠れなかったのでついウトウトと目を瞑って音楽を聴いていたのだが、、、、

 

しばらくすると遠くに晴れ間が。まるで希望の光が天から降り注ぐように。南下し島の半分を過ぎた頃から、雪は降りつつも少しづつ明るくなり始めた。さらにソギュポ市に着く頃になると、明るい海岸線が見え始め、鳥は空を横切り波が光をたたえて輝き始めた。いや~~本当にドラマティック!僕のライブは不思議とこうなることが多いのです、いや今まで天候のせいで公演が出来なかった事は一度もないのです。会場関係者も引き続き連絡してきて、会場まで来れそうか?と互いに密に連絡を取り合い、無事到着した時はちょっと感動的でした。

 


 

そして観客の皆さんのことが気掛かりに。ジェジュ在住の方達はもちろん、島外からも会場に来ることができるのかどうか。エアー事情もあるだろうし、車の交通事情など本当に難しいのは十分承知していたので。とにかく事故がないことを願いつつ。僕たちは通常公演通りリハーサルを済ませ控室で待機しSNSなどみていると、皆さんが果敢にここに向かっている姿を知ることができ、嬉しくもあり、また心配でもあり。そしてこんな状況にもかかわらずドリンクや完食デザートなどの嬉しい差し入れがあったり、本当に感動。ありがとう!

 

さて、ライブに話を戻して。

リハーサルでPrince of JEJUアコースティックバージョン断念したけど、それにかわる何かスペシャルなものがあったらと思った。そうこうするうち、2017年JEJU MUSIC FESTIVALでオヨンジュン君と一緒にやった「済州の蒼い空」と言う曲が頭に浮かび、ピアノソロでやることを思いつき、オープニング1人で弾いてみた。個人的に可愛らしく演奏でき、好きだったんだけどどうだったでしょう。

そして今回のハイライトとして、ちょうど10年前に作曲した「海女さんの歌」を必ずやろうと思ったけど、そこで歌のパートをどうするか。済州島のアーティストを招くなどいろいろ考えはしたものの、十分なリハーサルもない状態なので、今回は潔くインストゥルメンタルでやることに。以前はクォンソンヒさんは、バーベリッツにうたってもらったので、みなさんもその印象があったと思うけど、僕は個人的に今回の「インスト海女さんの歌」めちゃくちゃ気に入ってるんです。当然歌の説得力は大きいけど、楽器だけの表現でもこの曲を作った僕の意図は十分伝えられた気がしたのです。

冒頭部はピアノだけで、語るように。そして2コーラス目からはバンドが入りバイオリンが切なく旋律を、間奏ではギターが熱くブルース的なフィーリングで燃えるようなソロ。そしてピアノ一人語りに戻った後、皆で盛り上がってフィナーレ。歌詞がないからこそ、歌がないからこその音楽表現もやはり「あり」だと感じましたが、みなさんにはどういう風に聞こえたでしょう。

 




 

 

今回のライブは当初より2部構成、1部には広開土済州芸術団が、僕たちが第二部を担当するという構成が大前提としてあったので、ならばアンコールで一緒にPrince of JEJUとFrontierを演奏することとした。

 

今回ステージに上がった時正直驚き、そして感動した。こんな悪天候の中こんなにたくさんの方が来てくれた。そしてその間にポツンポツンと空いた席がむしろ悲しく、そして心配になった。

空いている席、公演を楽しみにしていたけど来れなくなってしまった人たちの無念さなど、頭の中にいろんな思いが。でも、みなさんの遠くからの応援もちゃんと届いていましたよ!紆余曲折あったけど済州島での5年ぶりの本格的なコンサートでこうして皆さんと再会出来た事、きっと忘れられないと思います。

 

悪天候の中、果敢に会場まで来てくださった皆さん、そして情熱的な主催&会場スタッフの皆さん、一緒に乗り越えて最高の演奏を聞かせてくれたミュージシャンのみんな、本当にありがとうございました。

SNSにも書いたけど「済州島は格別」また来ます、また健康な笑顔で再会しましょう。皆さんありがとうございました!

 

P.S そして公演次の日は伊丹潤ミュージアムでファンミーティング。皆さんと伊丹潤先生の多くの作品に触れ、そして以前出演したドキュメンタリー映画「伊丹潤の海」も少し観覧し(懐かしい自分の姿も^^;)美味しい海産物パスタランチをしてソウルに戻ってきました。そうしたら偶然その場で放送局SBSがこのミュージアムの撮影を行っており、僕を含めファンの人たちも撮影に参加。これもまたすごいご縁です^^

 




 

梁邦彦

 

梁邦彦 Passion & Future in 済州西帰浦芸術の殿堂

セットリスト

1. Pf Solo ~ 済州の蒼い空

2. Merry-Go-Round in White Night

3. Nylon Heart

4. Mint Academy

5. Wish to Fly

6. Steppin’ Out

7. 海女さんの歌

8. Everlasting Truth

9. Flowers of K

Enc1. Prince of Jeju

Enc2. Frontier

Enc3. Pf Solo ~ Souvenir