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★パレットで描く~中央博物館特別展示「城敬天寺址、十層石塔」~

  •  WRITER : admin
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    20-10-13 13:58  

5月20日にオープン以降、コロナウィルスの影響で度重なる休館に追い込まれていた中央博物館が、9月28日からリオープンし、僕が5つの映像作品で参加した中央博物館特別展示「デジタル実感映像館」も無事再開。その中で今日は一番印象に残る作品(色んな意味で^^;)「城敬天寺址、十層石塔」の製作話を。

国宝第86号、歴史的な背景を持つ開城敬天寺址、十層石塔。中央博物館の中央ロビーに位置する高さ13.5メートルの開城敬天寺址十層石塔。高麗時代に作られたこの石塔は他とは大きく異なる構造と外観を持ち、仏教伝来の悠久の歴史背景、浄土に向かう人たちの様子等様々なイマジネーションを想起させてくれ(実物はまだ現地で直接見たことないので本当に残念!)、展示においては塔にまつわる様々なストーリー映像が現代技術を駆使した形でこの塔に投影される。特異な10層建築構造にフォーカスしたストーリー構成もよく考えられており、音楽を作る側としても非常に興味深く、ここ最近の製作中、大きくやる気をそそられた作品の一つでもあります。



さて、アップした映像は、中央博物館所有映像とこのスタジオでの制作風景を僕が編集させてもらったもの。音楽は展示フルサイズ10分強から後半フィナーレ3分を抜粋。今回作曲した後半~ラストの核心テーマ部分で、展示フルサイズ音楽のイントロにも同じモチーフが使用されています。スケール感、アジア大陸特有の悠久感、そして四季折々の時空の流れとその美、その歴史的背景や西遊記;孫悟空が登場したりちょっぴりユーモラスなシーンに合わせて作った音楽。

そして今回製作した10分強のフルバージョンでは、中間部に既存作品サントラ「ASTA」からの抜粋編集や、その他スペシャルの音源も加えて構成しています。ASTAは僕が2012年に手掛けたアジアを舞台にした大型オンラインゲーム。そのイメージが今回の映像にピッタリと判断し、スタッフとも協議の上挿入することに。ASTAは西遊記が登場する若干ユーモラスな部分、そして続く人間の輪廻、転生の部分でも活用。更に今回は2013年映画製作でチベットに赴いた際、僕が山奥の寺院で直接録音した尼さんの読経の音源を中間部で使用したのだが、これは今までずっと使用する機会を狙っていたもの。チベットの読経、巷でよく耳にするのはやはり重低音響き渡る男性のものが多いけど、今回は重厚なイメージより女性の少し軽めのトーンがベターと思い使ったけど、正にピッタリとハマったと思う、良かった!興味のある方は是非現地で、耳を澄ませて聞いてみてください!

さて、今回の製作は4月から5月にかけてほぼ一人、ここ軽井沢の自宅に毎日こもりきり。という事もあり、普段じっくり向き合うことの少ない知識やスキルも習得出来、このタイプ曲の製作方法としてはかなりUp to Dateな方法で作れたと思っています・僕の他参加してくれたのはエンジニアの倉石裕治(Yuji Kuraishi)さん、オーケストラ:弦のパートを整理してくれた孫東勲(Dong Hoon Song)君、お疲れさまでした&どうもありがとう。

作業上、具体的なスタジオ機材としてはFatso,Urei1178,Neve33609C(B)が大活躍、いつものように安心の音の作り込みが出来た。この辺の話はまたStudio Storyの方でゆっくりと書きますので^^。

それとプラグイン的にはやはりOZONEやVienna Ensemble Proが大活躍、効率的な作業とマシンの負荷も最大限に分散出来、この規模のオーケストラ&アジア・エスニック系音源活用時はどうしても「総動員」的状態になるので、Mac Pro含め皆が限界:「赤」手前で頑張っている状態が続いたけど、特にBounceもせず、最後まで普通にどんどん追い込んでいけた>機材の皆もよく頑張った^^

この曲は、本来「生で=演奏者で」レコーディングする予定だったもの。正直その出来上がりもとても興味深いけど、まぁこの状況だからこそ、こういう一人~少数完結での仕上げもスキル的な行程含め納得しています。もちろん更に上を見ればきりないし、その極みを目標にし続けるのですが、一つの通過点として。そしてこの曲は、将来フルサイズ公開も考えている曲です、出来たら良いな。^^

次は、パレットで描くシリーズとして中央博物館の他の残る展示4つについても、それぞれ話していこうと思いますので、お楽しみに。ではみなさん、中央博物館の展示でお会いしましょう。


P.S この展示音楽を聞いてAsiaのCarl Jenkinsと言ってくれた人がいたけど、ちょっと嬉しい。Carlは僕も好きなイギリスの作曲家、キーボード奏者。元はと言えばJAZZ Rockグループ Soft Machineのキーボード>僕が中学の頃の話だけど、ある意味伝説のミュージシャン。そして数多くの映像音楽やCF音楽制作とソロコンサートも行い、90年後半大きく影響を受けた「Adiemus」の張本人。僕がロンドンレコーデイングを始めるきっかけとなった人でもあるので、ちょっと感慨深いのでした。