2013年から始まった「Jeju Fantasy」は今年で4回目。
当初、梁邦彦の単独野外ライブ中継番組としてスタートしたが、公演終了後
あまりに楽しかったので、これはもっと多くの人に見てもらいたい、多くのミュージシャンに
この気持ちよさを体験してもらいたいと、このイベントを済州MBCの皆さんと一緒に、
懸命に&大事に育ててきた。そして3年目の去年、多くのミュージシャンの参加&協力も相まって
済州島で動員1万人を突破するという異例の事態となり、今年は名称もJMFに変更し、2日間の
本格フェスとしてスタートを切ることになった。
このフェスに2回目から参加してくれているチームがいる。
今韓国では押しも押されぬ国民的バンドに成長した「クッカスタン」だ。
僕は数年前、彼らのインディーデビュー直後、幸運にもその音源を聞く機会があり、韓国に
こういうバンドが出てきたんだ!と嬉しくなって彼らにコンタクトを取ってたまに食事したり、
新しい音源をリリースする度に成長していく姿をとても嬉しく思っていた。そんな矢先、
事務所とのトラブルが発生し活動が思うようにできなくなってしまう事態に。可哀想に、、、と
心痛めていた時期がしばらく続いたある日、良い形で解決した!と連絡があった。アーティストが
自力で、自由を取り戻した喜びというものは何物にも代えがたい、これは自分の例でも痛感して
いる。そんな時期が自分にもあった。ついにやった、おめでとう。
その知らせと前後した頃、自分にソチオリンピック閉会式で時期冬季オリンピック開催地;平昌の
紹介セレモニーの音楽監督の話が来た。
総監督であるユンホジンさんの意向はクラシック、ジャズ、ポップス(ロック)界の一線で活躍
する人で構成される10分間の「アリラン」を作ることだった。ジャズとクラシックはすんなり
決まったのだが、ポップスパートの人選がなかなか決まらなかった。が、そこで閃いた。
ソチのオリンピックでハヒョンウ君の歌声が響いたらなんて素敵だろうと。クッカスタンが
ソチで演奏する姿が目に浮かび、その音楽制作ミーティングで彼らを大プッシュした。あいにく、
まだその時期クッカスタンを知るスタッフは多くなく残念な結果となったが、今ならどうだろうか。
僕は彼がそういう舞台で歌う姿、彼らが演奏する姿が見たくて仕方ない。
僕は自称「クッカスタンのストーカー」と事ある毎に言っている。もちろん全てのアクションを
追いかける病的ストーカーではないが、スピリットとしては冗談ではなく、立派なストーカー
だと自負している。2014年11月、国立劇場で3日間4公演行った僕の単独公演にも
クッカスタンのドラマー:イ・ジョンギル君に参加を申し入れ、快諾&参加してくれたことで
大いに盛り上がった。
彼らはこのイベントに、まだ自身の活動が円滑ではなかった2回目(2014年)から参加して
くれている。当時、こちら主催側も不慣れで運営がうまくいくはずもなく、彼らに不便を
強いてしまったことも否めない。続いて去年3回目のJeju Fantasyもぼくのステージでの
コラボレーションがあり、そのリハーサルで長〜い時間待ってもらうことになったにも関わらず、
嫌な顔ひとつせず、爽やかに全力でステージをこなす彼らの姿を見て、僕は勿論主催スタッフ全員が
感動した。そして今年3月、JMF2016のラインナップを決める初の会議で、僕がクッカスタンの
名前を出すと、全会一致で「即決定」となった。
今や韓国で彼らの人気と実力に疑念を抱く人はもういないだろう。正に名実共にスターダムに
のし上がったクッカスタン。
そんな彼らが、今年もJMFに来てくれる、嬉しいではないか。少なくとも僕はとても嬉しい。
JMFのテーマは「極上の自然で楽しむ、最高の音楽」。ジャンルは全然関係ない、良い音楽を
楽しむためのフェスなのです。
皆さん、大きく成長し続ける彼らの音楽に会いに、JMFに是非お出かけください。
8月27&28日、石文化公園で会いましょう。
梁邦彦