今回はほぼ1ヵ月にわたる期間のブログとなります。
5月10日ソウルでの大統領就任式参加招待を頂き、急遽渡韓することに決まりました。この時期は韓国入国時の隔離がなくなり、入国後PCR検査で陰性が確認された瞬間から外出が許され、1年前に比べると辛さが雲泥の差、良い世の中になったものだと「遠い目」になりました. 今回会場に着席すると前回2013年3月大統領就任式の際、自分が大統領宣誓後の祝賀公演を担当、アリランファンタジーを作曲、同じ場所で演奏した記憶が生々しく蘇りました。2013の時は3月で肌寒かったけれど今回は、晴天に恵まれ大統領宣言の最後に虹が現れなかなかドラマチックでした。全てが新しく、良い方向に進んでくれます様に、そんな願いを込めその場に佇んでいました。
正午に就任式が終了した後すぐ、今回在留期間が短いので日本帰国時用のPCR検査を受けに行き、その足で就任式晩餐会へ参加しました。晩餐会参加者は政界&経済界の要人が多く、正直僕が直接知っている人はほんの数人しかいなくて最初は少し戸惑いましたが 晩餐会開始前のガーデンカクテルパーティーでは夕暮れが気持よく、なごやかな雰囲気の中、世界各国から招かれた貴賓始め集まっている方たちの姿を眺めつつ、数人の知人と会話を楽しみました。
今回僕が招待されたのが駐日韓国大使館経由だったせいか、就任式での席配置では周囲に日本政府の要人が多く、晩餐会テーブルでは隣が立憲民主党の枝野代表。僕が日本語で話しかけると驚いた様子で、会終了まで話が弾み沢山会話する機会に恵まれました。この様に今回の就任式参席は日常とはまた別の貴重な体験になりましたが、そこで一番思う事は新たな大統領の元、未来に平和と友好、そして明るい希望が持てるようになりますように。
日本に戻ると悲報が待っていました。僕は5人兄弟末っ子ですが真剣にクラシックピアノを学んでいた上から2番目の姉(長女)が帰国直前に他界しました。この時日本帰国時の隔離は3日で、葬儀がちょうどその3日目にあたり本来なら葬儀への参席は不可能ですが、厚生労働省に事情を説明し1日早く PCR検査陰性証明を提出し、葬儀への参加が認められました。彼女は幼い自分に音楽の魅力をたくさん吹き込んでくれ、今の自分があるのは彼女の影響が大きいのは自明の事実。だからこそ、彼女の音楽への愛情と意思をしっかり引き継ぎ、これからも音楽で貢献していく決意を新たにしました。姉上、どうか安らかに。
日本の制作案件
27年前に大きく関わり、現在の僕にとっても大事な作品のリニューアル作業に参加しました。もうすぐ公開>>現時点未公開なので詳しい内容は触れませんが27年と言う歳月を経て同じ曲をまた新しく作り変えることが出来る事の素晴らしさ、ありがたみを肌で感じました。続けてさえいればこうやって一巡りし、また新しい次のスタートを切ることができると言う事も実感しました。公開もうすぐなのでどうぞ楽しみにしていてください。とても魅力的で、しかも「意味のある」作品です。
そして月末5月27日に東京六本木EXシアターで押尾コータローさんの20周年記念ソロライブに行ってきました。最初から最後まで終始1人だけのソロパフォーマンスライブ。緩急を織り交ぜ静寂と躍動のコントラストが見事。音楽はもちろん音響照明まで全体が1つにつながった素晴らしいライブでした。感動。次の日は東京乃木坂ソニースタジオで日本制作案件の最終ミックス作業を済ませ(無事終了)、その後軽井沢に戻り本格的に大賀ホールライブの準備に突入しました。
写真は5月20日オーディオ テクニカアストロスタジオでのリハーサル風景
今回の軽井沢大賀ホールコンサート、去年の品川教会と同じメンバー : バイオリン&二胡 土屋玲子、パーカッションChristopher Hardyに加えてゲストで押尾コータローさんが参加してくれることになりました。ゲストといっても途中2〜3曲で出てきてと言うことではなく、がっつり一緒にコンサートを作り上げて行く方向で彼と話し合い、結果充実したライブになったと思います。ライブのセットリストアップしておきます、1つだけ、コンサートの流れを考えて最後の2曲は順番を入れ替えました>>暁のヨナがコンサートラストの曲になっています。
今回のライブで特筆すべきはホールの響きの美しさ。外観も素晴らしいけどリハーサルでピアノを弾き出した瞬間、音が吸い込まれるように天井に登っていき濃密な音で広がっていきます。ピアノだけではなくバイオリンやギターそしてパーカッションまでも芳醇な響きが会場を包んでくれました。これはミュージシャンにとって幸せなことです。
そして何より自分の住む地元で皆さんと一緒に過ごすことができ不思議な気持さえしました。遠くから来てくれた方、近くから来てくださった方、皆さんどうもありがとうございました。このシリーズは来年からも続けて行けたらと思っていますが、やっぱり良い季節&天候の良い日にできたら最高。今回も天候に恵まれましたが、実は当日も予報は雨でした。けれど前日&当日コンサート終了までは心地よい日差しが降り注ぎ、ライブ終了後1時間ほどすると梅雨入り>>豪雨になりました。
僕は強烈な晴れ男で、この日も天気が味方してくれたようです。
一段落したのもつかの間、6月末に渡韓しソウルでライブをやります>>本当に久しぶりになってしまった、韓国のみんなと早く会いたいな。そしてその前後は中国映画案件に没頭します。スケールの大きい映画で、楽しみ。実はめちゃくちゃ気合入ってます。いろんな音楽との出会いがあってライブができてそしてまた演奏できると言うのは恵まれた事だと思います。
これからも良い音楽たくさん作りライブも可能な限り活発にやっていこうと思います。皆さんまた会場でお会いしましょう。どうもありがとうございました。
梁邦彦