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Favorite Instrument #1. Nylon Guitar

  •  WRITER : admin
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    20-08-26 17:16  

大好きな楽器がもちろんたくさんある・当然といえば当然だけど^^ 

 

ピアノはもちろん、ドラムなどの打楽器、そしてオーケストラの楽器にまで至ると本当にきりがないんだけど、そんな中僕のFavoriteの上位を占めるのが Nylon Guitar。別名Gut Guitarとも呼ばれ、ジャンル的にクラシックギターと呼ばれる事もあるけど、それはちょっとナンセンスかな、個人的に。だってほぼ似たような楽器でフラメンコをやるスパニッシュギターという呼称もあるし、この場合もうジャンル飛び越えて奏法の話にまでなってしまうし、まぁ僕にとってはそう言う「くくりつけ」はどうでも良いので、今日ここではNylon Guitarと呼ぶことにします。

 

アコースティックで柔らかいナイロンの弦を優しく爪弾いたり、時には情熱的に弾く(はじく)撥弦楽器。いちばん有名な所ではスペインのロドリゲス作曲アランフェス協奏曲というのがあったり、有名な「禁じられた遊び」がありましたね・もう誰もが聞いた事のある。この楽器の柔らかくふくよかな音色、時には激しいほとばしる情熱と情感豊かな表現がとても好きで、自分の楽曲や映像の劇伴音楽でもよく使わせてもらうのですが、とにかくピアニッシモからフォルテまでの、ピアノとはまた違った繊細かつドラマティックな表現が好きで、スタジオやライブで演奏を聞く度「良いなぁ、自分もああいう風に弾けないかなぁ」と半ばジェラシーを感じているのです>>現在進行型。僕のNylon Heartと言う曲はまさにこのナイロンギターに魅了され作った曲でライブでもよく演奏しますが、実はリリース当初「ナイロンハート」を「ライオンハート」と頻繁に間違われ、一度は放送局で間違えられたことまであり、ちょっと心外だった、、なんて冗談だけど^^ 

 

で、僕たちのような作曲&製作をする人間は曲のスケッチやアイディアをイメージする際、その楽器の音で楽曲を作ることが多い。実際は楽器を使わずに作るときもあるけど。わかりやすく言うと、オーケストラ大編成の弦や、ブラス、そういう楽器になると、クライアントや共演してくれるミュージシャンに伝わりづらいこともあるし、やはり実際に近い音が鳴ると具体的にイメージできるしね。つまりわかりやすく伝えるため、コンピュータ上でその楽器のライブラリを立ち上げて、キーボードで弾いて(制作の場合は入力という表現が正しい)音を出す事になります。その入力の際は、楽器奏法などを予め知っておき、それに近づけるべく懸命に弾き&入力するけれど、当然生楽器の表現力にはかなわず、挙げ句落ち込み、投げ出したくなったり、悲しくなったり、、、、という事も多々あるけど、この楽器はちょっと違う。ライブラリから音色引っ張り出してきて、鍵盤でポロポロ弾いているだけでも幸せになれる。Nylon Guitarは自分にとってそんな楽器。

 

https://youtu.be/M7wrap9B_N0


 

アップした映像は僕が普段使っているライブラリで気ままに、Nylon Guitarだったらこんな感じかなと、曲以外何も決めず弾いていて、小賢しい事は一切していません。少しばかり専門的な話だけど、MIDI入力してエディットしたり、キースイッチで音色やフレーズ変えたりとか。とにかく「まんま、赴くまま、雰囲気のみ」でギタリストになった錯覚状態>それも幸せ^^;もちろん生の魅力には程遠いけど、また違った表現の方法でもあると思ってます。

 

さて、こういうお気に入りの音色を引っ張り出す時というのは作曲以外、目的なくポロポロ弾いている時もあれば、何かイメージしながら弾くこともあります。今回はこのコロナ影響もあり、ミュージシャンのみんなともしばらく会えていない、一緒にできていない、そんなもどかしさや、今どうしてるかな、とか思いながらポロポロと。

 

今回Nylon Guitarの音色で弾き出したのは2015年に公開された映画「AGAIN~28年目の甲子園」の劇中メイン曲。映画では中井貴一さん扮する25年ぶりに甲子園を目指す球児のドラマ。誰の心の片隅にあるであろう「もう一度、夢に向かって」と言うテーマが個人的に大好きな作品で、心温まるストーリーや中井さんのキャラなど、雰囲気がナイロンギターにぴったりと思い、メインテーマに使用した経緯もあります。そして浜田省吾さんがエンディングテーマを歌われ、本当に久しぶりに浜田さんと共同作業出来た作品。 

 


個人的な話ですが、早稲田高校在学時、自分たちの学年が突如東京ベスト16に入る快挙を遂げ、ベスト8決戦で敗北した「あの時」が思い出されたり、それから前述したミュージシャンの仲間達どうしているかな、「もう一度」また早くやりたいな。具体的には隣りのシマシャツ赤帽君が友人代表?で座ってくれて、僕もシマシャツ>>ペア?!

 

そして、もちろん皆さんとまた近いうちにお会いできる日が早く来るようにという願いも込めて、とりとめもなく弾いた「AGAIN」、ゆる~く聴いてください。その日まで皆さん、どうか本当に健康で、幸せでいてください。

 

梁邦彦

 

P.S 音色的には結構気に入っていて、Apogee Ensemble Thunderboltからアウトボード;Avalon vt747を通して録ってみたけど、やっぱりストーレートだけより、数倍広がりと温かみが加わってくれ、自然と笑顔になる。このへんのお話はまた近い後日、Studio Storyに書こうと思います。