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1. 極東ロシアからシベリア鉄道を経てバイカル湖、そして中央アジアのカザフスタンまで。

  •  WRITER : admin
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    18-10-08 19:53  


韓国国営放送KBSのスペシャルドキュメンタリーの撮影で上記の地域に行ってきました。まだ番組の詳しい内容はお知らせできませんが、とても意味ある、自分にとって貴重な体験となる取材&撮影でした。

 

9月中旬はひたすら製作の毎日で、スタジオ籠もりきりの日々がずっと続いたんだけど、その途中からスタジオの増築、改築工事が始まりスタジオ真ん中に簡易間仕切りを作り、スタジオ内片方は工事、もう片方は僕がヘッドフォンで製作という、なんとも前例のない(とんでもない)状態だった。頭爆発しそうだった!!そしてそこから逃げるように9月20日成田を出発し、ウラジオストクに。インチョンで6時間の待ち時間を経て、乗り換えて極東ロシアの入り口であるウラジオに到着したのが明け方5時、市内ホテル到着時は美しい朝焼けがだったが、深夜移動は疲れかなりバテたので数時間ホテルのベッドで休み、昼から駅前広場で撮影開始。


往年の名俳優ユル・ブリンナーがウラジオストク出身とは知らなかった。彼の生家が丘の上にあったり、港やその向こうの海がなんとも極東らしい、少し寂しげでもの悲しくも、それは美しい風景だった。

 

 

その後ウラジオストク駅から午後5時半に出発するシベリア横断鉄道に乗り、ハバロフスクまで13時間の移動>>到着は朝6時半。しかも現代に作られた列車ではなく、旧式寝台列車なので揺れに揺れて、揺れまくる。とは言え出発後しばらくして日が沈む海辺の車窓は美しいことこの上なかったし、そんな車窓を見ながら車内でも夜の9時まで撮影が進んだ。車内の部屋は旧式寝台の4人相部屋。全く知らない者同士が乗っている間ずっと一緒の寝台部屋で過ごすわけだけど、男女別に部屋が別れているわけでもなく、ちょっとどうなんでしょうかね。僕たちはもちろん撮影陣で部屋をキープしてあったで問題なしだったけど。その後食堂車に行き少しばかりリラックス。年季の入った旧式列車なので食堂車はレトロそのもの。幼い頃見た古い映画のワンシーンのような印象だったけど(ちょうどユル・ブリンナーが出てきそう?!)味わいあるその佇まいは普段経験できない魅力的な体験だった。ロシアの食事はう~~ん、サーモンは美味しかったかな。^^ 

実はこの横断鉄道乗車時にトラブルが。


僕は今年の5月にパスポートを更新したけど、旅行会社に連絡&登録してある旅券番号は古い番号だった。で、横断鉄道乗車直前5分前「あなたの乗車券はパスポート番号が違うからあなたは絶対乗車できません!」と怖いおばさんに断固強烈に拒絶され、撮影陣、コーディネーター含め全員が顔面蒼白となり、立ちすくんでしまった。ロシアはこのあたりが当然厳しいのだった。撮影機材の重く大きな荷物はすでに積んであるし、僕だけここに取り残された場合どうなるのか、と考えると脂汗が出てきた。が、その時コーディネーターが猛然とダッシュして事務局に突進、急遽願い倒して旅券番号を変更できた。そして僕が乗車出来たのは発車2分前 ;汗 ギリギリセーフ。
この電車です。

 

 

朝7時半、ハバロフスク到着。燃える朝焼け、真紅の太陽が迎えてくれた。国境が近いこともあり、中国人が多くホテルもちょっと中国風。 

 



昼間休んで少し撮影した後、今度は夜の航空便でイルクーツクへ。飛行機で3時間、4,000キロの移動、本当にロシアは広い。ウラジオストク>ハバロフスク>イルクーツクと西に進むたび、空港もだんだん明るく活気を帯びてきて、気持ちも少しづつ明るくなっていく。イルクーツク到着はすでに夜半過ぎ、気温は〇度近くの寒さで、凍えながらホテルに着いたときは正直もうフラフラで吸い込まれるように眠りに落ちた。

翌朝はここから1時間ほどで行ける世界最大の湖:バイカル湖へ。着いた直後は正直その大きさを実感、体感できず、こんなもんかなぁ~なんて思っていたけど、行けば行くほど変わり映えのしない景色が、その大きさを思い知らせるようにゆっくり体感させてくれ、最後にはため息が出るほどのスケールと美しさを目のあたりにした。ここではアコーディオンの演奏を撮影。こんな神聖で素晴らしい場所で演奏が出来るとは、正に感無量。撮影が終わったのは夕方、日が落ちる頃で、その落日もまた格別、自然への畏怖を強く感じ、思わず落ち行く夕陽に手を合わせ自然に頭を垂れていた。仕事が終わり、陽もくれたので湖畔にある市場のような所で軽い食事。市場で売ってる物を買い、食堂のような所で食べたんだけどそこの電灯がつかなくて、、、スマホの電灯で何とかしのいだけど、怪しいことしているようでちょっと楽しい気分だった。こんな体験もまたレアなので。

撮影は数カ所で行ったけど天気は良くてもやはり寒く、夕方になるほどどんどん気温は落ちていくし、湖畔に風が吹くと更に。
湖畔から見える対岸は、遥か遠く、果てしなく連なる雪山の連峰がずっと続いているだけ。空気は澄んでいるし、湖畔近くの山林は白樺が美しく、晩秋の景色が秋空に美しく映えている、そんな天候に恵まれた撮影だった。

 

 

 

 

そしてここから次は中央アジア;カザフスタンへの旅。そちらはまた次回ということで、お楽しみに。